ジャクソンホールでのイエレンFRB議長・ドラギECB総裁発言後のNY市場の動き(2017年8月26日)

2017年8月5日

 昨日(8/25)に米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された年次経済シンポジウムで、イエレンFRB議長とドラギECB総裁の講演がありました。
 イエレンFRB議長のタカ派的な発言への期待と量的緩和のテーパリングに向うとされるドラギECB総裁の発言に注目が集まる中、イエレンFRB議長からは金融政策についての言及がなかったためドル売りの流れとなり、ドラギECB総裁からは「世界的な回復はしっかりしている」「ユーロ圏の回復は米国より早い段階にある」などの発言内容だったためユーロが他通貨に対して全面的に買われて、ユーロ・ドルは2015年1月以来の高値まで駆け上がりました。

・NY株はイエレンFRB議長が金融政策に言及しなかったことによる安心感からの買いやコーン米国家経済会議(NEC)委員長が来週にも税制改革に着手するとの発言が伝わったことでダウは終日プラス圏での堅調な展開となって$30高で引け、ナスは朝方は高かったものの、午前に値を消してマイテンしてからは前日終値を挟んだ小動きとなって0.09%安で引けました。

・日経ナイトは19,440で寄り付き、21:10には19,530まで上昇しましたが、23:00のイエレンFRB議長講演が始まるとドル円が急落したため下げ出して00:00には19,420まで下落し、19,470(+20)で引けました。

・ドル円はイエレンFRB議長講演直前の22:50に急伸して109.83まで上昇しましたが、講演が始まると米利回りと共に急落して00:00には109.11まで70pips下落し、109.31でNYクローズとなりました。
 ユーロ・ドルはイエレンFRB議長講演が始まると急速なドル売りの流れとなり23:00に1.1797から1.1866まで急伸し、その後も上昇が続いて02:00には1.1889まで上昇し、04:00のドラギECB総裁講演が始まると一段の強いユーロ買いの流れとなって1.1877から1.1930まで急伸し04:10には1.1939まで上昇して2015年1月以来の高値を付け、1.1919でNYクローズとなりました。

・米国10年債券利回りはイエレンFRB議長講演前の22:00から下げ出して23:00には2.180まで低下し、その後も低下が続いて02:45には2.162%まで低下し、2.169%でNYクローズとなりました。

 

 

★ジャクソンホールでのイエレンFRB議長とドラギECB総裁の発言内容については、ジャクソンホールでのイエレンFRB議長とドラギECB総裁の発言(2017年8月26日)の記事に載せています。
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先週金曜日のNY株式市場
NY DOW    21,813.67(+30.27)
NASDAQ     6,265.64(-5.68)
・注目のジャクソンホール・シンポジウムでイエレンFRB議長が金融政策に言及しなかったことによる安心感からの買いやコーン米国家経済会議(NEC)委員長が来週にも税制改革に着手するとの発言が伝わったことでダウは終日プラス圏での堅調な展開となり$30高で引けました。
またナスは朝方は高かったものの、午前に値を消してマイテンしてからは前日終値を挟んだ小動きとなって0.09%安で引けました。

左:DOW-1分足 右:NASDAQ-1分足
 

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

 

日経先物(夜間)
 ナイトは19,440で寄り付き、ジリジリとし上げが続いて21:10には19,530まで上昇しましたが、23:00のイエレンFRB議長講演が始まるとドル円が急落したため下げ出して00:00には19,420まで下落しました。
その後は19,430-490での上下が続いて19,470(+20)で引けました。
CME(円建て)清算値は19,450でした。

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

 

ドル円(チャートは6:00時点)
・ドル円は欧州時間は109.55-75で上下し、ジャクソンホール・シンポジウムでイエレンFRB議長講演直前の22:50に急伸して109.83まで上昇しました。
しかし講演が始まり「FRBの2大責務に関して著しい進展が見られた」「行き過ぎた楽観について遅かれ早かれ修正されるリスクがある」などの見解を示しながらも金融政策については言及しなかったため、タカ派発言を期待していた向きの失望売りで米利回りと共に急落して00:00には109.11まで70pips下落しました。
その後は109.15-35での小動きが続いて、109.31でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

ユーロ・ドル(チャートは6:00時点)
・ユーロ・ドルは欧州時間は16:10に1.1773まで下落した後は上昇基調となって19:30に1.1827まで上昇し、1.1800-25での小動きが続いていました。
イエレンFRB議長講演直前の22:50に1.1785まで下落しましたが、講演が始まると急速なドル売りの流れとなり23:00に1.1797から1.1866まで急伸し、その後も上昇が続いて02:00には1.1889まで上昇しました。 その後はジリジリと押し戻されてには1.1862まで下落しましたが、04:00にドラギECB総裁講演が始まると強いユーロ買いの流れとなって04:00の1.1877から1.1930まで急伸し、「世界的な回復はしっかりしている」「ユーロ圏の回復は米国より早い段階にある」などの発言内容が伝わり04:10には1.1939まで上昇して2015年1月以来の高値を付けました。
そこからは1.1900-35で上下して1.1919でNYクローズとなりました。

左:ユーロ・ドル-5分足 右:ユーロ・ドル-1時間足
 

左:ユーロ・ドル-日足

 

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
 欧州時間は2.192-2.201%で小動きでしたが、22:00から下げ出して23:00のイエレンFRB議長講演が始まる時には2.180まで低下しました。
講演で金融政策について言及しなかったため低下が続き、02:45には2.162%まで低下し、2.169%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足