東京市場ザラバ~FRB緊急利下げと日銀決定会合の前倒しで429円安~(2020年3月16日)

 

2020年3月16日

・昨日のNY株は新型コロナウイルスのまん延を受けてトランプ大統領が3/13(金)に非常事態を宣言したことで米政府の新型コロナ対策が本格的に始動するとの期待や最大500億ドルの連邦政府予算を活用して検査や治療の態勢を強化、合わせて「全ての連邦学生ローンの金利支払い免除」と「石油大規模購入で戦略備蓄を拡大する」との方針を示したこと、また先週大幅に下落していたため売り方の買い戻しも加わって大幅上昇となり、ダウの上昇率は2008年10月以来の約11年半ぶりの大きさで過去最大となりました。

・新型コロナウイルスの感染拡大で世界の市場の混乱が続いているため、本日の日本時間の朝方6時過ぎにFRBによる1.0%の緊急利下げ(政策金利は0.00-0.25%)が発表され、3/17-18に予定されていたFOMCは中止となりました。
また3/19に予定されていた日銀金融政策決定会合を本日(3/16)の午前12時に前倒しするという過去にない初めて対応となりました。
・本日の日経は先週金曜日終値17,431.05よりも155.03円高い17,586.08で寄り付き、朝方のFRB緊急利下げを受けて時間外のダウ先物がCB1水準の安値で張り付く中、9:10に17,185まで下落し、そこからは前日終値を挟んだ17,200-600での上下が続きました。
14:06に日銀金融政策決定会合の結果が発表された直後に上場投資信託(ETF)の買い入れ額について年間12兆円と倍増を決めたことを好感して17,785まで急伸しましたが、原則的にはいままで通り6兆円と伝わると取り組み姿勢が曖昧との失望感から反転して引け前の16,914まで871円下げ続け、17,002.04(-429.01)で引けました。

 

結果

FRBの緊急利下げ
1.00-1.25%から0.00-0.25%へ1.00%の引き下げ

前倒しの日銀金融政策決定会合の結果
14:06 現状維持

日銀発表の緩和策
・年6兆円としている上場投資信託(ETF)の購入目標額を12兆円に倍増
・年900億円としている不動産投資信託(REIT)の購入目標も1800億円に倍増
・大企業が資金調達のために発行するCP・社債も、新たに2兆円の買い入れ枠を追加
・現在CP・社債それぞれ2.2兆円、3.2兆円の残高を維持するとしている目標を1兆円ずつ増やす
・中小企業の資金繰りを支えるために、金融機関に原資をゼロ金利で貸し付ける制度も新設

 

 

日経先物
先週金曜日終値17,920を370円下回る17,250で寄り付き、9:10には16,970まで下落し、そこから戻して17,110-380での上下が続きました。
14:06に日銀金融政策決定会合の結果が発表された直後に上場投資信託(ETF)の買い入れ額について年間12兆円と倍増を決めたことを好感して17,590まで急伸しましたが、しかし原則的にはいままで通り6兆円と伝わると取り組み姿勢が曖昧との失望感から反転して15:00には140円安の16,650まで940下げ続け、16,840(+50)△0.30%で引けました。
現物は17,002.04(-429.01)▼2.46%でした。

東証一部売買代金:33,191億円、東証一部売買高:23.45億株
東証一部騰落数 値上がり1,019銘柄、値下がり1,098銘柄、変わらず49銘柄

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

マザーズ
先週金曜日終値565.31よりも7.82ポイント高い573.13で寄り付き、9:25から上げ出して10:05に596まで上昇してしばらく582-593で上下していました。
しかし14:30から下げ出して本日安値を割り込んで559.54(-5.77)▼1.02%で引けました。

左:マザーズ-5分足 右:マザーズ-日足
 

 

ドル円(チャートは15:30時点)
・先週金曜日のドル円は新型コロナウイルスのまん延でリスク資産の急落によりドルの流動性が枯渇したことで「有事のドル買い」の流れとNY株の大幅上昇による円売りの流れが加わり、また米10年債利回りが一時1%台を回復したことやトランプ米大統領が新型コロナ対応で非常事態を宣言し、最大500億ドルの連邦政府予算を活用して検査や治療の態勢を強化、合わせて「全ての連邦学生ローンの金利支払い免除」と「石油大規模購入で戦略備蓄を拡大する」との方針を示したことでダウは過去最大の上昇となり、16:00の105.54から04:50には108.50まで296pipsもの大幅上昇となり、108.01でNYクローズとなりました。
・東京時間に入るとFRBの緊急利下げを受けて急激なドル売りとなり0.99pips下窓を明けた107.02で始まり、そこから更に下げが続いて07:30には105.69まで下落しました。 8:30から反発に転じると早いペースで上げ出して11:00には107.57まで戻しました。
そこからジリジリと押し戻され、14:06に日銀金融政策決定会合の結果が発表された直後に上場投資信託(ETF)の買い入れ額について年間12兆円と倍増を決めたことを好感して107.27まで上昇しました。
しかし原則的にはいままで通り6兆円と伝わると取り組み姿勢が曖昧との失望感から下げが続いて14:50には106.32まで押し戻されて106.48で15時となりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

日本国債(チャートは15:00時点)
・先週末の米国債が大きく下落した流れを引き継いで152.38で始まり、FRBの緊急利下げと日銀の緊急決定会合を本日正午から開催することを明らかにすると153.38まで急反発しました。
その後は小幅押し戻されて152.88で15時となりました。

左:日本国債先物-5分足 右:日本国債先物-日足
 

 

上海総合指数
先週金曜日終値2,887.42よりも9.88ポイント安い2,897.30で寄り付き、前場はマイナス1.0%水準で揉み合いが続いていましたが、後場になると下落基調が続いて、2,789.25(-98.17)▼3.40%で引けました。

左:上海総合指数-1分足 右:上海総合指数-日足
 

 

昨日のNY株式市場
NY DOW  23,185.62(+1,985.02)
NASDAQ  7,874.88(+673.08)
・ダウは新型コロナウイルスのまん延を受けてトランプ大統領が3/13(金)に非常事態を宣言したことで米政府の新型コロナ対策が本格的に始動するとの期待や最大500億ドルの連邦政府予算を活用して検査や治療の態勢を強化、合わせて「全ての連邦学生ローンの金利支払い免除」と「石油大規模購入で戦略備蓄を拡大する」との方針を示したこと、また先週大幅に下落していたため売り方の買い戻しも加わって大幅上昇となり、上昇率は2008年10月以来の約11年半ぶりの大きさで過去最大となりました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

 

米国10年債権利回り(チャートは15:30時点)
・日本時間6時に発表されたFRBの緊急利下げを受けて先週金曜日の終値0.983%から大幅に低下した0.670%で始まり、9:00に0.640%まで低下しました。
そこからは0.640-0.721%で上下が続いて0.687%で15時となりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足