米雇用統計発表後のNY市場の動き(2020年3月7日)

2020年3月7日

 2月雇用統計で非農業部門雇用者数は予想の17.5万人増を上回る27.3万人増、失業率は予想の3.6%から3.5%に低下して良好な結果となりました。
しかし新型コロナウイルスの感染拡大による世界景気の下振れ懸念から安全資産とされる米国債に買いが集まり米10年債利回りは過去最低を更新となる0.6572%まで急低下し、欧州・NY株も大幅下落していたため、雇用統計の結果は相場にほとんど影響を与えませんでした。

・NY株は新型コロナウイルス感染拡大で景気や企業業績への懸念が高まってダウは一時900ドル近く下落し、その後ボストン連銀のローゼングレン総裁が講演でFRBが量的金融緩和の際に購入できる資産の対象を広げる案に言及したことやクドロー米NEC委員長が景気刺激策の可能性に言及したため下げ幅を縮めて、ダウは$256安、ナスは1.87%安で引けました。

・日経ナイトは20,670で寄り付き後、主要欧州株や時間外のダウ先物が下げ幅を拡大していたため18:30から急速に下げ出して19:45に20,290まで下落し、雇用統計発表前の22:15に20,260まで下落しました。
22:30の雇用統計の結果は予想よりも良かったものの材料視されることはなく、NY株式市場開場後の23:50には500円安の20,210まで下落し、その後NY株が下げ幅を縮めたため00:45に20,510まで戻す場面がありましたが、再び押し戻されて20,320で引けました。

・ドル円は米10年債利回りの急低下や欧州株・時間外のダウ先物の大幅安を受けて18:30から急速に下げ足を速めて19:20には105円を割り込んで104.99まで下落し、その後は105.00-50で大き目の振れ幅で上下を繰り返し、22:30の雇用統計の良好な結果にはほとんど反応はなく、NYタイムに入っても戻りは鈍く105.35でNYクローズとなりました。

・米国10年債権利回りは新型コロナウイルスの感染拡大による世界景気の下振れ懸念から安全資産とされる米国債に買いが集まり、NY市場開場後に米10年債利回りは過去最低を更新となる0.6572%まで急低下し、その後NY株式市場が下げ幅を縮めると共に低下幅を縮めて0.773%でNYクローズとなりました。

結果
22:30 2月非農業部門雇用者数 予想:+17.5万人 結果:+27.3万人 (前回:+22.5万人 修正値:+27.3万人)
22:30 2月失業率 予想:3.6% 結果:3.5% (前回:3.6%)
22:30 2月平均時給 (前月比) 予想:+0.3% 結果:+0.3% (前回:+0.2%)
22:30 2月平均時給 (前年同月比) 予想:+3.0% 結果:+3.0% (前回:+3.1%)

 

★雇用統計の明細は、米雇用統計詳細(2020年3月7日)の記事に載せています。
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先週金曜日のNY株式市場
NY DOW    25,864.78(-256.50)
NASDAQ    8,575.62(-162.98)

・先週金曜日のNY株は新型コロナウイルス感染拡大で景気や企業業績への懸念が高まり、安全資産とされる米国債などに資金を移す動きが激しく強まり10年債利回りが一時0.6572%と過去最低を付けるなかダウは一時900ドル近く下落しました。その後ボストン連銀のローゼングレン総裁が講演でFRBが量的金融緩和の際に購入できる資産の対象を広げる案に言及したことやクドロー米NEC委員長が景気刺激策の可能性に言及したため下げ幅を縮めて、ダウは$256安、ナスは1.87%安で引けました。

左:DOW-1分足 右:NASDAQ-1分足
 

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

 

日経先物(夜間)
・ナイトは20,670で寄り付き、20,550-740で上下していましたが、主要欧州株や時間外のダウ先物が下げ幅を拡大していたため18:30から急速に下げ出して19:45に20,290まで下落し、そこからはリバったものの再び売られて22:15に20,260まで下落しました。
22:30の雇用統計の結果は予想よりも良かったものの材料視されることはなく、NY株式市場開場後の23:50には500円安の20,210まで下落しました。
その後NY株が下げ幅を縮めたため00:45に20,510まで戻す場面がありましたが、再び押し戻されて05:05に20,210まで下落し、20,320で引けました。
CME日経225先物は20,430でした。

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日
 

 

 

ドル円(チャートは7:00時点)
・先週金曜日のドル円は16:00に106.06を付けた後は米10年債利回りの急低下や欧州株・時間外のダウ先物の大幅安を受けて18:30から急速に下げ足を速めて19:20には105円を割り込んで104.99まで下落しました。
その後は105.00-50で大き目の振れ幅で上下を繰り返し、22:30の雇用統計の良好な結果にはほとんど反応はなく、NYタイムに入って00:20に105.72までリバる場面がありましたが、再び押し戻されて105.10-60での上下が続き、105.35でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
・新型コロナウイルスの感染拡大による世界景気の下振れ懸念から安全資産とされる米国債に買いが集まり、NY市場開場後に米10年債利回りは過去最低を更新となる0.6572%まで急低下し、その後NY株式市場が下げ幅を縮めると共に低下幅を縮めて0.773%でNYクローズとなりました。
欧州時間から急低下が続いていたため、雇用統計は材料視されませんでした。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足