東京市場ザラバ~債券が国債買入オペ増額で急落・指値オペ実施通告で急騰~(2017年2月3日)

2017年2月3日

・昨日のNY株はトランプ大統領がツイッターでイランの弾道ミサイル発射実験をけん制したことやNAFTAの見直しについてメキシコとカナダとの再交渉を「できる限り加速する」と表明したことで保護主義的な政策への警戒感の高まり、また雇用統計を控えての様子見もあって終日前日終値を挟んだ方向感のない動きが続き、ダウ・ナス共に小幅安となりました。

・本日の日経は前日終値18,914.58よりも82.16円高い18,996.74で寄り付き、19,000台飛び台で小動きでしたが、10時10分に国債買い入れオペのオファーで5~10年ゾーンの買い入れ額を予定額の4100億円から400億円増額の4500億円との発表があり、債券市場は400億円の増額では金利上昇を抑えるには不十分と判断したために急落し、ドル円も金利上昇したため急落、日経は19,000を割り込んで18,946まで急落しました。
そこからはリバって戻りも見せましたが、11時から再び売られ出して前引け前にはマイテンして18,830まで下落しました。
昼休み中に日経先物とドル円が更に下落していましたが、後場開始と同時に指値オペの実施を通告したとの報道で債券先物とドル円、日経先物が急騰し、日経も急騰してプラテンして19,039まで上昇しました。
その後はマイテンする場面もありましたが小幅高水準の18,950近辺での小動きが続き、18,918.20(+3.62)で引けました。

 

★前回に国債指し値オペ実施した2016年11月17日の時の動きは、東京市場ザラバ~初の国債指し値オペ実施~(2016年11月17日)の記事に詳しく書いています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

日経先物
19,050で寄り付き、直後から下げ出して9:10には18,970まで下落し、そこからは18,990-19,050で揉み合っていました。
しかし10:10に国債買い入れオペのオファーで5~10年ゾーンの買い入れ額を予定額の4100億円から400億円増額の4500億円との発表があり、それを受けて債券先物とドル円が急落して日経先物も19,010から18,920まで急落しました。
そこから更に下げて10:30には18,900まで下落した後は一旦リバって11:00には19,050まで戻りましたが、再び売られ出すと仕掛け的な売りも加わって11:25には18,800まで下落しました。
その後は上値も重くなり18,820-860で揉み合っていましたが、12:30に指値オペの実施を通告した報道で債券先物とドル円が急騰し、日経先物も18,850から19,050まで急騰しました。
そこからは押し戻されて18,910-950で揉み合った後13:50には18,870-950で上下して18,940(+10)△0.05%で引けとました。
現物は18,918.20(+3.62)△0.02%でした。

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

マザーズ
前日終値988.25よりも1.59ポイント高い989.84で寄り付き、直後に上昇して995近辺でこう着していましたが、10:10に日経が急落したためマザーズ指数も下げ出して11:00にマイテンして982まで下落しました。
後場は985近辺での小動きがしばらく続いた後14:10からジリ上げとなって14:15にはプラテンし、990.95(+2.70)△0.27%で引けとなりました。

左:マザーズ-5分足 右:マザーズ-日足
 

 

ドル円(チャートは15:30時点)
・昨日のドル円は東京時間から続いていた円買い・ドル売りの流れが欧州時間も続いて16:00の112.76から22:40には112.05まで下落しました。
その後は反転して上昇基調となって02:40には112.82まで上昇し、112.80でNYクローズとなりました。
・東京時間に入るとジリ上げが続いて9:50には112.98まで上昇しましたが、10:10に国債買い入れオペのオファーで5~10年ゾーンの買い入れ額を予定額の4100億円から400億円増額の4500億円との発表があり、それを受けて112.92から113.11まで急伸した直後に反転して112.48まで急落しました。
そこからは112.50-75での揉み合いがしばらく続いていましたが、12:30に指値オペの実施を通告したことが伝わると112.62から113.22まで60pips急騰しました。
その後は小幅押し戻されて112.90-113.10での小動きが続いて、113.02で15時となりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

日本国債(チャートは15:00時点)
 10:10に国債買い入れオペのオファーで5~10年ゾーンの買い入れ額を4500億円としましたが、債券先物は10:09の149.70から10:15には149.31まで急落しました。
これは1月末に発表した予定額の4100億円から400億円増額することで長期金利の上昇をけん制したものでしたが、債券市場は、400億円の増額では金利上昇を抑えるには不十分と判断したために急落しました。
新発10年物国債345回債利回りは、約1年ぶりの0.150%まで上昇しました。
 しかし12:30に指値オペの実施を通告したことが伝わると債券先物は149.36から149.78まで急騰して10:10の急落分が行って来いとなりました。
その後は押し戻されて14:00に149.54まで下げた後は再び上昇して149.75近辺での小動きとなり、149.75で15時となりました。

左:日本国債先物-5分足 右:日本国債先物-日足
 

 

上海総合指数
春節明けとなる上海市場は、春節前の1/26終値3,159.17とほぼ変わらない0.91ポイント高い3,160.08で寄り付き、前場はジリ下げとなり、後場はマイナス圏での小動きが続いて、3,140.17(-19.00)▼0.60%で引けとなりました。

左:上海総合指数-1分足 右:上海総合指数-日足
 

 

昨日のNY株式市場
NY DOW  19,884.91(-6.03)
NASDAQ  5,636.20(-6.45)
・昨日のNY株はトランプ大統領がツイッターでイランの弾道ミサイル発射実験をけん制したことやNAFTAの見直しについてメキシコとカナダとの再交渉を「できる限り加速する」と表明したことで保護主義的な政策への警戒感の高まり、また雇用統計を控えての様子見もあって終日前日終値を挟んだ方向感のない動きが続き、ダウ・ナス共に小幅安となりました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足