米雇用統計発表後のNY市場の動き(2018年11月3日)

2018年11月3日

 10月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想の19.0万人増を上回る25.0万人増、失業率は予想通りの3.7%、平均時給は前月比、前年同月比共に予想通りの良好な結果となり、ドルが買われる展開となりました。
また翌週11/7(水)にBIGイベントの中間選挙を控えていたことや米中貿易摩擦に関する報道でNY株は大きく上下に振れました。

・NY株は雇用統計の良好な結果を受けて米長期金利上昇を嫌気したことやカドロー米国家経済会議(NEC)委員長のトランプ政権が当局に対中貿易協定案の策定を指示した事実はないと明言したことで売りがかさんでマイナス$300近く下落しましたが、03:30にトランプ大統領が「米国は貿易問題で中国と合意するだろう」と発言したことで下げ幅を縮めてダウは$109安、ナスは1.04%安で引けました。

・ナイトは雇用統計発表直後は大きく動かず22,190-230で小幅に振っただけでしたが、NY株式市場が始まるとNY株がマイテンして下げ幅を広げる軟調な展開となったためジリ下げが続いて02:05には400円安の21,840まで下落しました。
03:30にトランプ大統領が「米国は貿易問題で中国と合意するだろう」と発言したことでNY株に追随してリバって21,980(-250)で引けました。

・ドル円は雇用統計発表直後に112.81から113.02まで上昇しましたが伸びはなく、その後一旦112.78まで下落した後は米長期金利の上昇と共に上げ出して01:15には113.28まで上昇し、113.20でNYクローズとなりました。

・米国10年債権利回りは雇用統計の良好な結果を受けてFRBの利上げ継続が意識されたため債権が売られ、米10年債金利は21:30の3.170%からジリジリと上昇して3.22%でNYクローズとなりました。

結果
21:30 10月非農業部門雇用者数 予想:+19.0万人 結果:+25.0万人 (前回:+13.4万人 修正値:+11.8人)
21:30 10月失業率 予想:3.7% 結果:3.7% (前回:3.7%)
21:30 10月平均時給 (前月比) 予想:+0.2% 結果:+0.2% (前回:+0.3%)
21:30 10月平均時給 (前年同月比) 予想:+3.1% 結果:+3.1% (前回:+2.8%)

 

★雇用統計の明細は、米雇用統計詳細(2018年11月3日)の記事に載せています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

先週金曜日のNY株式市場
NY DOW    25,270.83(-109.91)
NASDAQ     7,356.99(-77.06)
・先週金曜日のNY株は朝方は東京時間にブルームバーグの報道による貿易摩擦を巡って米中の交渉が進展しているとの観測からダウは一時$200超の上昇となりましたが、雇用統計の良好な結果を受けて米長期金利が上昇を嫌気した売りやカドロー米国家経済会議(NEC)委員長がCNBCテレビとのインタビューでトランプ政権が当局に対中貿易協定案の策定を指示した事実はないと明言したことで逆にマイナス$300近く下落しました。
しかし03:30にトランプ大統領が「米国は貿易問題で中国と合意するだろう」と発言したことで下げ幅を縮めてダウは$109安、ナスは1.04%安で引けました。

左:DOW-1分足 右:NASDAQ-1分足
 

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

 

日経先物(夜間)
 ナイトは22,240で寄り付き、22,160-280で上下して21:30の雇用統計の時は22,200でした。
発表直後は大きく動かず22,190-230で小幅に振っただけでした。
22:30からNY株式市場が始まるとNY株がマイテンして下げ幅を広げる軟調な展開となったためジリ下げが続いて02:05には400円安の21,840まで下落しました。
03:30にトランプ大統領が「米国は貿易問題で中国と合意するだろう」と発言したことでNY株に追随してリバって22,020まで戻し、その後は22,000近辺での小動きとなって21,980(-250)で引けました。
CME(円建)は22,000でした。

左:日経ナイト-5分足 右:日経ナイト-日足
 

 

 

ドル円(チャートは6:00時点)
・ドル円は16:00の113.10から下げ出して18:40に112.72まで下落し、そこから戻して21:30の雇用統計の時は112.81でした。
発表直後に112.81から113.02まで上昇しましたが、その後は112.85-113.00での揉み合いとなり、23:40に112.78まで下落した後は米長期金利の上昇と共に上げ出して01:15には113.28まで上昇しました。
そこから一旦113.06まで押し戻されましたが、再び上げて113.15-30での揉み合いが続き、113.20でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

米国10年債権利回り(チャートは6:00時点)
 雇用統計の良好な結果を受けてFRBの利上げ継続が意識されたため債権が売られ、米10年債金利は21:30の3.170%からジリジリと上昇して3.22%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足