2018年3月2日
黒田東彦日銀総裁が2018年3月2日の衆院議院運営委員会で行った所信表明要旨です。(時事通信より転載)
【抱負】
現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことで、2%の物価安定目標を実現できると考えている。再任されれば、引き続き政府と連携しながら日本経済のデフレ脱却への歩みをしっかりサポートする。総仕上げを果たすべく全力で取り組む覚悟だ。物価目標の実現を最優先に政策運営を行う。
【これまでの成果】
アベノミクスは、日本経済がデフレから脱却し、持続的な成長を実現していく上では必要かつ適切な政策の組み合わせだ。わが国の経済物価情勢は大きく改善し、もはやデフレでない状況ははっきりしている。
【今後の政策運営】
物価は2%に向けて勢いが維持されている。ただ、かたくなに今の金利を一切変更しないということではなく、必要があればさらなる緩和も検討する。
【緩和の出口】
物価はまだ2%目標との距離がかなりある。直ちに出口を議論するのは適切ではない。現時点では2019年度ごろには物価が2%程度に達するとみている。出口をその頃に議論しているのは間違いない。
【緩和の副作用】
金利を低く抑えていることで、地域金融機関の収益に影響を与えているのは事実。金融の安定も日銀の使命だ。金融仲介機能を阻害していないか丹念にチェックしているが、現時点では行き過ぎは見られない。