FOMC声明全文(2017年9月21日)

2017年9月21日

本日早朝(9/21)に発表されたFOMC声明の全文です。(時事通信より転載)

 米連邦公開市場委員会(FOMC)が7月会合以降に入手した情報は、労働市場が引き続き強化され、経済活動は今年に入って緩やかに拡大していることを示している。雇用の伸びは、この数カ月、依然として堅固であり、失業率は低水準にとどまっている。家計支出は緩やかな割合で拡大し、企業の設備投資は直近の数四半期に上向いた。前年同月比の全体的なインフレ、食品とエネルギー価格を除くコアインフレは今年減少し、目標の2%を下回っている。市場ベースのインフレ期待の指標は依然低い。調査ベースの長期インフレ期待の指標の大半はほとんど変わっていない。
 法律で定められた責務に則し、FOMCは雇用の最大化と物価安定の促進を目指している。ハリケーン「ハービー」、「イルマ」、「マリア」は多くの共同体を荒廃させ、深刻な苦難を招いている。暴風雨による被害と復興は短期的に経済活動に影響を及ぼすが、過去の経験は、ハリケーンが中期的に米国経済の(拡大)基調を大きく変える可能性は低いことを示唆している。この結果、FOMCは、金融政策の緩やかな調整により、経済活動は緩やかなペースで拡大し、労働市場の環境はさらに幾分強固になると予想する。ハリケーンの余波によるガソリン、その他の物資の値上がりは一時的にインフレを加速する可能性がある。しかし、この影響を除き、前年同月比のインフレは短期的に2%を幾分下回り続けるものの、中期的に2%近傍で安定すると予想している。景気見通しへの短期的なリスクはおおむね均衡しているようだが、FOMCは引き続き、インフレ動向を緊密に注視している。
 労働市場環境とインフレの現状、見通しを踏まえ、FOMCはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標水準を1~1.25%に据え置くことを決定した。金融政策の姿勢は引き続き緩和的であり、労働市場環境をさらに幾分強化し、インフレが2%に安定的に回帰することを支える。 
 FF金利誘導目標水準の今後の調整時期と規模を判断するに当たって、FOMCは、雇用最大化と2%物価目標に関する経済情勢を、実績と見通しから評価していく。この評価は、労働市場環境に関する指標、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融、国際的な情勢の解釈を含む幅広い情報を考慮する。FOMCは、「シンメトリック・インフレーション・ゴール(上下の許容幅が対称的なインフレ目標)」と比較して、現状のインフレ進展と見通しを注意深く監視する。経済情勢は、緩やかな利上げを正当化する形で進展すると予測する。FF金利誘導目標水準は一定の間、長期的に予測されている水準を下回るだろう。しかし、実際のFF金利誘導目標水準の先行きはデータが示す経済見通しに依拠する。
 FOMCは10月に、「政策正常化の原則と計画」に関する付属文書に記載した、バランスシートの正常化計画を開始する。
 FOMCの金融政策にはイエレンFOMC委員長(FRB議長)、ニューヨーク連銀のダドリー総裁、ブレイナードFRB理事、シカゴ連銀のエバンズ総裁、フィッシャーFRB副議長、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁、ダラス連銀のカプラン総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁、パウエルFRB理事が賛成した。