米雇用統計発表後のNY市場の動き(2017年6月3日)

2017年6月3日

・5月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想の18.5人増を下回る13.8人増の結果となり、 過去2ヵ月分も6.6万人の下方修正となって労働市場が失速している兆候を示す結果となりました。

・NY株は非農業部門雇用者数が予想を下回る結果だったことやトランプ大統領がパリ協定からの離脱を正式に表明したことで米国内のシェール掘削が一段と活発化して原油の過剰供給懸念から原油価格も下落してエネルギーセクターが売られましたが、先高期待が強く朝方小幅マイナスに沈んだ後はハイテク、工業株が買われてジリ高が続き、ダウは$62高、ナスは0.94%高で引け、2日連続で両指数は史上最高値を更新しました。

・日経ナイトは雇用統計まではプラス圏で推移していましたが、発表発表直後に20,190から20,120まで急落し、更に下げて21:45には20,060まで下落しました。
その後はジリジリとした上昇となり2時半過ぎにプラテンして20,190まで上昇する場面がありましたがすぐに押し戻されてからは20,160近辺でのこう着となって20,140(-30)で引けました。

・ドル円は雇用統計が弱い結果だったことで発表直後に111.43から110.89まで急落した後もドル売りと円買いの流れとなったため下げが続いて0時半には110.32まで下落しました。
その後はリバも弱く安値圏での小動きとなって110.45でNYクローズとなりました。

・米国10年債券利回りは非農業部門雇用者数が予想を下回る結果だったためFRBが今後金融引き締めに一段と慎重になるとの見方から利回りは低下し、発表直後に2.163%まで低下した後も低下基調となって00:15には2.147%まで低下し、2.159%でNYクローズとなり、約7カ月ぶりの水準まで低下しました。
フェドウォッチによると、午後の取引でFF金利先物相場は91%の確率で6月の利上げを織り込んでいました。

 

 

結果
22:30 5月非農業部門雇用者数 予想:+18.2万人 結果:+13.8万人 (前回:+21.1万人 修正値:+17.4万人)
22:30 5月失業率 予想:4.4% 結果:4.3% (前回:4.4%)
22:30 5月平均時給 (前月比) 予想:+0.2% 結果:+0.2% (前回:+0.3% 修正値:+0.2%)

 

★雇用統計の明細は、米雇用統計詳細(2017年6月3日)の記事に載せています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

先週金曜日のNY株式市場
NY DOW  21,206.29(+62.11)
NASDAQ  6,305.80(+58.97)
・先週金曜日のNY株は雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回る結果だったことやトランプ大統領がパリ協定からの離脱を正式に表明したことで米国内のシェール掘削が一段と活発化して原油の過剰供給懸念から原油価格も下落してエネルギーセクターが売られましたが、朝方小幅マイナスに沈んだ後はハイテク、工業株が買われてジリ高が続き、ダウは$62高、ナスは0.94%高で引け、2日連続で両指数は史上最高値を更新しました。

左:DOW-1分足 右:NASDAQ-1分足
 

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

 

日経先物(夜間)
 ナイトは20,200で寄り付き20,160-190で小動きの後19:00からジリ上げとなって20:00に20,240まで上昇し、そこからは押し戻されて21:30の雇用統計発表の時は20,190でした。
発表直後に20,190から20,120まで急落し、更に下げが続いて21:45には20,060まで下落しました。
その後は20,070-140での揉み合いが続き、00:40から小幅上げて20,130-170での揉み合いとなり、02:40にプラテンして20,190まで上昇する場面がありましたがすぐに押し戻されて20,160近辺でのこう着となり、20,140(-30)で引けました。
CME(円建て)清算値は20,165でした。

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

 

ドル円(チャートは6:00時点)
・先週金曜日のドル円は欧州時間序盤は111.40-55での小動きが続き、21:30の雇用統計の時は111.43でした。 発表直後に111.43から110.89まで急落し、更にドル売りと円買いの流れとなったため下げが続いて00:30には110.32まで下落しました。
その後はリバも弱く安値圏の110.35-55での小動きがひたすら続いて110.45でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
 欧州時間序盤は2.210-2.220%での小動きとなり、21:30の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回る結果だったためFRBが今後金融引き締めに一段と慎重になるとの見方から利回りは低下し、発表直後に2.163%まで低下した後も低下基調となって00:15には2.147%まで低下しました。
その後は2.147-2.170%での小動きが続いて2.159%でNYクローズとなり、約7カ月ぶりの水準まで低下しました。
またフェドウォッチによると、午後の取引でFF金利先物相場は91%の確率で6月の利上げを織り込んでいました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足