米雇用統計発表後のNY市場の動き（2016年1月9日）

2016年1月9日

・昨日発表された12月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を大幅に上回る好結果となり、発表直後は急伸しましたが、原油価格の低下や中国株や中東情勢への不安から売り物に押されてNY株はマイナスに転じた後は下げ幅を広げての引けとなりました。
またドル円も発表直後は急伸しましたがすぐに戻ってきてからはドル売りと円買いの流れになったため118円を大きく割り込んで117.43でNYクローズとなりました。

結果
22:30　12月非農業部門雇用者数　予想：+20.0万人　結果：+29.2万人　（前回：+21.1万人　修正値：+25.2万人）
22:30　12月失業率　予想：5.0％　結果：5.0％　（前回：5.0％）

★雇用統計の明細は、米雇用統計詳細（2016年1月9日）の記事に載せています。
（下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。）

私見
・大発会から5連敗した日経の売り圧力と昨日のNY株の雇用統計が好結果だったにも関わらず引けにかけての下げ方を見ると、今話題になっている中国人民元安や上海株の下落、原油価格下落やそれによるオイルマネーの換金売り、また表面化していない大きな問題があって実需の売りが止まらない状況に見えました。
昨年12月にFRBが利上げを開始して7年間続いた金融緩和下での世界の資金の流れが大きく変わる中でさまざまな歪みや問題が生じ出しています。
ここまで株価が崩れるとジャンク債問題がクローズアップされたり、リスク回避の売りやファンドの解約売りが今後相当出てくるでしょうし、まだ表面化していない新たな問題で急落する場面もありそうです。
またドル円も利上げ期待のドル買いや日銀金融緩和期待で円が売られてきただけに、今後日銀の金融緩和期待が薄まった状況下で今までのようにすんなり円安になるのかには疑問がありますし、米・利上げによる新興国債務懸念もこれから本格化してきます。。
しばらくはアンテナを張り巡らせつつ緊張感を高めながらトレードをしていきたいところです。

昨夜のNY株式市場
ＮＹＤＯＷ　16,346.45(-167.65)
ＮＡＳＤＡＱ　 4,643.63(-45.79)
　昨日発表された12月非農業部門雇用者数が予想を大きく上回る結果になり寄り後はプラス圏で堅調な動きでしたが、午後になると原油先物価格が低下したことや中国株や中東情勢の混乱を嫌気して売り物に押されて下げ幅を拡大して引けとなりました。

左：DOW－1分足　右：NASDAQ－1分足
　

左：DOW－日足　右：NASDAQ－日足
　

日経先物（夜間）
　ナイトは17,750で寄り付き、17：50には17,830まで上昇した後はジリ下げとなって20：45には17,630まで下落しました。その後は戻して雇用統計発表の22：30は17,720でした。
発表で17,720から17,870まで150円急伸しましたが、徐々に押し戻されて23：05には17,630まで下落し、17,640-730でも揉み合いとなりました。
しかし00：00に17,590まで急落した後は売りが続いて01：35には17,320まで下落しました。
その後は戻して02：20には17,530まで上げましたが引けにかけて再び売られて17,440（-250）で3時となりました。
また、NY株は日経ナイトが引けた後も下げが続いたため、CME（円建て）清算値は17,280でした。

左：日経先物－5分足　右：日経先物－日足
　

ドル円（チャートは6:00時点）
　昨日の欧州時間は118.20-55での上下が続いて22：30の雇用統計の時は118.32でした。発表直後に118.32から118.76まで44pips急伸しましたがすぐに反転して下落となり、23：05には117.92まで下落しました。
そこからは117.95-118.25で揉み合いが続いた後、00：00から再び下げ出して01：35の117.43まで下げ続けました。
その後は一旦リバって02：20には117.94まで上げましたが、再度ジリ下げとなって06：45には117.30まで下落し、117.43でNYクローズとなりました。

左：ドル円－5分足　右：ドル円－1時間足
　