FOMC声明全文(2015年10月29日)

2015年10月29日

本日早朝(10/29)に発表されたFOMC声明の全文です。(ロイターより転載)

 9月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降に入手した情報は、経済活動が緩やかなペース(moderate pace)で拡大したことを示唆している。家計支出と企業の設備投資はここ数カ月間に確実な速度(solid rate)で増え、住宅部門は一段と改善した。しかし、純輸出は軟調だった。就業者数の増加ペースは鈍化し(pace of job gains slowed)、失業率は安定的だった(unemployment rate held steady)。それでもなお、労働市場の指標は、総じて(on balance)労働資源の活用不足が今年初め以降に減少したことを示している。インフレ率はエネルギー価格とエネルギー以外の輸入価格の下落を部分的に反映して、委員会の長期的な目標を下回り続けた。将来のインフレを示す市場ベースの指標はやや(slightly)低くなり、調査に基づいた長期的なインフレ期待の指標は引き続き安定している。

 委員会は法律上与えられた責務に従って、雇用最大化と物価安定の促進を目指す。委員会は適切な政策緩和によって経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は委員会が二大責務と合致していると判断する状態に引き続き向うと予測している。委員会は経済活動の見通しと労働市場にとってのリスクはほぼ安定していると引き続きみているものの、世界経済と金融市場の動向を注視している。インフレ率は短期的には最近の低い水準近くにとどまると予想されるが、委員会は、労働市場がさらに改善し、エネルギーや輸入価格の下落による一時的な影響が消えれば、インフレ率は中期的に徐々に2%に向かって上昇すると予測する。委員会は引き続きインフレ率の動向を監視する。

 最大雇用と物価安定に向けて続く進展を支えるため、委員会は本日、現行のゼロから0.25%というフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジが適切であるとの見解を再確認した。この目標誘導レンジを次回の会合で(at its next meeting)引き上げることが適切かどうかを決めるに当たって、委員会は最大雇用とインフレ率2%の目標に向けた進展について実績と予測の両方を評価する。この評価は、労働市場の状況に関する指標、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融動向や国際情勢の解釈を含む幅広い情報を考慮する。委員会は、労働市場のさらにいくらかの改善を確認し(has seen some further improvement)、中期的にインフレ率が2%目標に向かって戻るとの合理的な確信が持てた(is reasonably confident)時に、FF金利の目標誘導レンジを引き上げることが適切になると予測する。

 委員会は保有する政府機関債とエージェンシー発行モーゲージ債(MBS)の償還元本をMBSに再投資し、米国債の償還金を新発債に再投資する既存の政策を維持する。委員会による長期証券の保有を相当な水準で維持するこの政策は、金融環境を緩和的に保つ上で役立つはずだ。

 委員会が政策緩和を解除すると決める時には、最大雇用と2%のインフレという長期目標と合致するバランスの取れた方策を取る。委員会は、雇用とインフレが責務に合致する水準に近づいた後も、経済状況は当面、FF金利の誘導目標を委員会が長期的に正常とみなす水準を下回るレベルに維持することを正当化すると現在想定している。

 政策決定の投票で賛成したのは、ジャネット・イエレン委員長、ウィリアム・ダドリー副委員長、ラエル・ブレイナード、チャールズ・エバンス、スタンレー・フィッシャー、デニス・ロックハート、ジェローム・パウエル、ダニエル・タルーロとジョン・ウィリアムズの各委員。反対はジェフリー・ラッカー委員で、今回の会合でFF金利の目標誘導レンジを25ベーシスポイント引き上げることが好ましいと考えた。

 

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