東京市場ザラバ~FOMC明けて652円の大幅安~(2020年6月11日)

 

2020年6月11日

・ダウは朝方から軟調な展開が続き、FOMCで2022年末までゼロ金利政策が維持される方針が明らかになると一時プラテンしましたが、パウエルFRB議長が会見で「雇用の回復には時間がかかる」と強調すると一転下落して$282安で引けました。
一方ナスは4日続伸して初めて1万ポイント台に乗せて0.67%高で引けました。

 FOMCで、市場予想通りFFレート誘導目標は0.00-0.25%で据え置きで、声明ではイールドカーブ・コントロール(YCC)について言及がなかったため、声明文発表直後に米長期金利の上昇とともにドルが買い戻されましたが、その流れは続かずすぐにドルが売られてその後は動きが乏しくなり、NYクローズとなりました。
また3月に再開した量的緩和政策については、これまで購入枠を「必要とされる量」と明示していませんでしたが「今後数カ月は少なくとも現在のペースで」に修正した。
パウエルFRB議長が会見で「YCC導入の是非はまだ答えが出ていない」「議論は今後も継続する」と述べました。

・本日の日経は前日終値23,124.95よりも276.93円安い22,848.02で寄り付き、前場は22,830-940で上下していましたが、昼休み中に日経先物が下落したため22,793で後場寄り付きとなり、そこから急速に下げ出して13時過ぎには594円安の22,530まで下落しました。
その後22,670まで戻しましたが、14時から再び下げ出して引け直前に22,466まで下落し、22,472.91(-652.04)▼2.82%で引けました。

 

結果
0.00-0.25%で据え置き

 

★FOMC声明の全文を、FOMC声明全文(2020年6月11日)の記事に載せています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

日経先物
22,750で寄り付き、22,740-780で揉み合った後、9:00から一段高となり22,830-940での上下が続きました。
12:05から下げ出し、後場に入った12:30からは早いペースで下げ出して13:10には490円安の22,530まで急落しました。
その後13:40に22,670まで戻しましたが、14:00から再び下げ出して15:05に22,459まで下落し、22,550(-470)▼2.04%で引けました。
現物は22,472.91(-652.04)▼2.82%でした。

東証一部売買代金:28,403億円、東証一部売買高:16.79億株
東証一部騰落数 値上がり203銘柄、値下がり1,939銘柄、変わらず27銘柄

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

マザーズ
前日終値1,036.37よりも2.40ポイント安い1,033.97で寄り付き、小幅安水準の1,030-35で揉み合った後10:00から上げ出して10:40に1,044まで上昇し、そこからは小幅押し戻されて1,040近辺での小動きが続きました。
後場になると日経が急速に崩れたためマザーズ指数も下げ出して13:15には1,007まで急落しました。
その後13:40に1,023まで戻しましたが、再び売られて14:50には1,003まで下落し、1,007.14(-29.23)▼2.82%で引けました。

左:マザーズ-5分足 右:マザーズ-日足
 

 

ドル円(チャートは15:30時点)
・昨夜のドル円は欧州時間は東京時間の円高の地合いを引き継いでジリ下げが続いて16:00の107.36から23:20には107.16まで下落し、そこからは107.20-25での小動きが続いていました。
03:00のFOMC声明でイールドカーブ・コントロール(YCC)について言及がなかったため直後に107.45まで急伸しましたが、すぐに押し戻されて03:30には106.99まで下落し、107.14でNYクローズとなりました。
・東京時間に入ると07:00から円買いの流れとなり08:10に106.89まで下落し、その後は106.90-107.10での揉み合いが続き、13:30から逆に円売りの流れとなり14:10に107.23まで上昇し、107.15で15時となりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

 

日本国債(チャートは15:00時点)
・FOMCでゼロ金利政策が長期化するとの見方から米国債利回りが低下したことを受けて朝方に債券が買われ、その後一旦押し戻されましたが午後になると日経が急落したことで再び債権が買われて152.16で15時となりました。

左:日本国債先物-5分足 右:日本国債先物-日足
 

 

上海総合指数
前日終値2,943.75よりも3.96ポイント安い2,939.79で寄り付き、前場は前日終値を挟んだ小動きが続いていましたが、後場になると下げ出してマイナス1.0%まで下落し、2,920.90(-22.86)▼0.78%で引けました。

左:上海総合指数-1分足 右:上海総合指数-日足
 

 

昨日のNY株式市場
NY DOW  26,989.99(-282.31)
NASDAQ  10,020.35(+66.59)
・ダウは朝方から軟調な展開が続き、FOMCで2022年末までゼロ金利政策が維持される方針が明らかになると一時プラテンしましたが、パウエルFRB議長が会見で「雇用の回復には時間がかかる」と強調すると一転下落して$282安で引けました。
一方ナスは4日続伸して初めて1万ポイント台に乗せて0.67%高で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

米国10年債権利回り(チャートは6:00時点)
・欧州時間からジリジリと低下基調が続き、FOMCでゼロ金利政策の長期化観測が高まり債券買いが優勢となって低下幅を広げ、更にパウエルFRB議長が会見で「イールドカーブ・コントロール(YCC)について議論している」と明らかにしたことも金利押し下げ圧力となり0.736%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足