米雇用統計発表後のNY市場の動き(2019年10月5日)

2019年10月5日

 9月雇用統計で非農業部門雇用者数は予想の14.5万人を下回る13.6万人でしたが、失業率が49年9カ月ぶりの3.5%まで低下したことで、直近にISMなどの低調な経済指標を受けて強まっていた景気急減速への懸念が後退したため買戻しと合わせて買いが強まり、ダウ・ナス共に大幅高となりました。
一方米利下げ期待も根強かったため米10年債利回りが低下し、ドル円は発表直後に急伸したものの押し戻されました。

・NY株は雇用統計で失業率が49年9カ月ぶりの3.5%まで低下したことで直近のISMなどの低調な経済指標を受けて強まっていた景気急減速への懸念が後退し、買い戻しも加わり幅広いセクターが買われ、またiPhone11(新モデル)の増産を供給業者に要請したと報じられたアップルが買われ、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が来週に予定されている米中貿易協議について「ポジティブサプライズが起きる可能性がある」と発言したこともあり、ダウは$372高、ナスは1.40%で引けました。

・日経ナイトは雇用統計発表直後に21,280から21,400まで急伸し、NY株が堅調に値幅を広げる展開となったため日経先物も上げ幅を広げて04:45には21,540まで上昇し、21,520(+200)で引けました。

・ドル円は雇用統計発表直後に106.75から106.54まで下落しましたが、すぐに切り返すと21:50には107.13まで急伸しました。
しかし米10年債利回りが低下してドルが売られため押し戻され、00:00以降は106.90近辺での小動きが続き、106.91でNYクローズとなりました。

・米国10年債権利回りは直近でISMなどの低調な米経済指標の発表が相次いで景気後退への懸念が強まっていただけに、9月米雇用統計発表後は「警戒していたほど悪い内容ではなかった」と受け止められ債券が売られて1.555%まで利回りは上昇しましたが、その後は米景気の先行き不透明感や年内の利下げ期待を背景に債券を買う動きが広がり04:00には1.508%まで低下して、1.529%でNYクローズとなりました。

結果
21:30 9月非農業部門雇用者数 予想:+14.5万人 結果:+13.6万人 (前回:+13.0万人 修正値:+16.8万人)
21:30 9月失業率 予想:3.7% 結果:3.5% (前回:3.7%)
21:30 9月平均時給 (前月比) 予想:+0.3% 結果:+0.0% (前回:+0.4%)
21:30 9月平均時給 (前年同月比) 予想:+3.2% 結果:+2.9% (前回:+3.2%)

 

★雇用統計の明細は、米雇用統計詳細(2019年10月5日)の記事に載せています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

 

先週金曜日のNY株式市場
NY DOW    26,573.72(+372.68)
NASDAQ    7,982.47(+110.21)

・先週金曜日のNY株は9月雇用統計で、非農業部門就業者数は予想の14.5万人を下回る13.6万人でしたが、失業率が49年9カ月ぶりの3.5%まで低下したことで直近のISMなどの低調な経済指標を受けて強まっていた景気急減速への懸念が後退し、買い戻しも加わり幅広いセクターが買われました。
 また、iPhone11(新モデル)の増産を供給業者に要請したと報じられたアップルが買われ、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が来週に予定されている米中貿易協議について「ポジティブサプライズが起きる可能性がある」と発言したこともあり、ダウは$372高、ナスは1.40%で引けました。

左:DOW-1分足 右:NASDAQ-1分足
 

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

 

日経先物(夜間)
・ナイトは21,310で寄り付き21,320近辺で小動きの後18:30に小幅下げて21,300での小動きが続き、21:30の雇用統計の時は21,280でした。
発表直後に21,280から21,400まで急伸し、NY株が堅調に値幅を広げる展開となったため日経先物も上げ幅を広げて04:45には21,540まで上昇し、21,520(+200)で引けました。
CME日経225先物は21,535でした。

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日
 

 

 

ドル円(チャートは6:00時点)
・先週金曜日のドル円は欧州時間序盤はジリジリとした下げとなり16:00の106.80から20:20に106.64まで下落し、21:30の雇用統計の時は106.75でした。
発表直後に106.75から106.54まで下落しましたが、すぐに切り返すと21:50には107.13まで急伸しました。
しかし米景気の先行き不透明感や年内の利下げ期待を背景に買われて米10年債利回りが低下してドルが売られため押し戻され、00:00以降は106.90近辺での小動きが続き、106.91でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

米国10年債権利回り(チャートは6:00時点)
・直近でISMなどの低調な米経済指標の発表が相次いで景気後退への懸念が強まっていただけに、9月米雇用統計が「警戒していたほど悪い内容ではなかった」と受け止められ債券が売られて1.555%まで利回りは上昇しました。
しかしその後は米景気の先行き不透明感や年内の利下げ期待を背景に債券を買う動きが広がり04:00には1.508%まで低下して、1.529%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足