東京市場ザラバ~米中貿易摩擦激化で449円安~(2019年8月26日)

 

2019年8月26日

・先週金曜日のNY株はジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演を控えて欧州時間から様子見ムードが続いていましたが、21:00に突然中国政府が米国の対中制裁関税への報復として、米国からの輸入品約750億ドル相当に9/1から最大10%の追加関税を課す、また1月から適用を見合わせていた自動車・同部品への対米報復関税も12/15に再び導入して最大25%の税率を上乗せすると発表したため時間外のダウ先物が26,300から26,050まで急落しました。
そこからジリジリと戻し、パウエルFRB議長講演で「景気拡大持続へ適切に行動する」と追加利下げに踏み切る考えを示唆しましたが、利下げの時期については明言を避け、市場が9月の金融政策会合での利下げをほぼ織り込み済みのため、発言の反応は限定的でした。
しかしその後トランプ大統領がツイッターに「きょうの午後、中国の関税に対応する」「中国を必要としていない。いない方がはるかにましだ」と投稿したことで米中貿易摩擦の激化懸念が急速に高まってリスク回避の円買いの流れとなり、11:45に26,200から25,800まで急落し、更に下げが続いて引け前には745ドル安の25,507まで下落し、ダウは$623安、ナスは3.00%もの大幅安で引けました。

・本日の日経は先週金曜日終値20,710.91よりも385.47円安い20,325.44で寄り付き、直後に537円安の20,173まで下落しましたが、そこから反転してジリ上げとなり9時半には20,283まで戻しました。
そこからは押し戻されて20,201まで下落しましたが、再びジリ上げとなって10時過ぎに20,288まで上昇した後は20,210-260での小動きが前場いっぱい続きました。
しかし昼休み中の11:40に劉鶴・中国副首相の「中国は米中両国に不利益となる貿易戦争に断固として反対する」「冷静な交渉で通商摩擦の解決を望む」などの発言が伝わると日経先物とドル円が急伸したため後場は20,321で寄り付きました。
その後20,270-320で揉み合いが続いた後14時から一段下げて14時半前に20,204まで押し戻され、引けにかけてリバって20,261.04(-449.87)で引けました。

 

 

日経先物
20,080で寄り付き、直後に20,070まで下げた後はジリ上げとなって9:30には20,270までリバウンドが続きました。
そこから押し戻されて20,170まで下落しましたが、すぐに反転して10:10に20,270まで上昇しました。
その後は動きが乏しくなり20,190-230での小動きが続いていましたが、11:40に劉鶴・中国副首相の「中国は米中両国に不利益となる貿易戦争に断固として反対する」「冷静な交渉で通商摩擦の解決を望む」などの発言が伝わると急伸して11:50には20,330まで上昇しました。
その後は逆にジリジリと押し戻されて14:25に20,170まで下落し、そこから引けにかけては買われて20,300(-420)▼2.03%で引けました。
現物は20,261.04(-449.87)▼2.17%でした。

東証一部売買代金:19,844億円、東証一部売買高:11.40億株
東証一部騰落数 値上がり138銘柄、値下がり1,979銘柄、変わらず33銘柄

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

マザーズ
先週金曜日終値879.57よりも14.82ポイント安い864.75で寄り付き、直後に859まで下落しましたが、すぐに反転して9:30に867まで戻しました。
そこから再び下げ出して9:50に861まで下落しましたが、10:00からジリ上げとなって11:15には867まで上昇しました。
後場になるとジリ下げが続いた後、14:00から一段下げて865近辺での小動きとなり、864.63(-14.94)▼1.70%で引けました。

左:マザーズ-5分足 右:マザーズ-日足
 

 

ドル円(チャートは15:30時点)
・先週金曜日のドル円は欧州時間序盤は106.55-70で上下し、20:50に106.73まで上昇しました。
21:00に突然中国政府が米国の対中制裁関税への報復として、米国からの輸入品約750億ドル相当に9/1から最大10%の追加関税を課す、また1月から適用を見合わせていた自動車・同部品への対米報復関税も12/15に再び導入して最大25%の税率を上乗せすると発表したため106.73から106.38まで急落しました。
そこからは106.50近辺で揉み合いが続き、23:00から始まったパウエルFRB議長講演で「景気拡大持続へ適切に行動する」と追加利下げに踏み切る考えを示唆しましたが、利下げの時期については明言を避けたこともあり106.62まで上昇しました。
しかしその後トランプ大統領がツイッターに「きょうの午後、中国の関税に対応する」「中国を必要としていない。いない方がはるかにましだ」と投稿したことで米中貿易摩擦の激化懸念が急速に高まってリスク回避の円買いの流れが強まり、23:45の106.31から00:05には105.54まで急落し、その後もジリ下げが続いて03:45に105.25まで下落し、105.39でNYクローズとなりました。
・東京時間7時は先週金曜日の終値105.39よりも55pips下窓を明けた104.84で始まり7:20に104.44まで下落しました。
そこから反転するとジリ上げとなって10:10に105.36まで戻し、105.30近辺でこう着していました。 しかし11:40に劉鶴・中国副首相の「中国は米中両国に不利益となる貿易戦争に断固として反対する」「冷静な交渉で通商摩擦の解決を望む」などの発言が伝わると買い戻しが加速して105.27から105.79まで52pips急伸しました。
その後は押し戻されて105.40-50で揉み合いの後、13:00から一段下げて105.20-40での揉み合いとなり、105.24で15時となりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

 

日本国債(チャートは15:00時点)
新発10年物国債の流通利回りが低下して、2016年7月以来、約3年1カ月ぶりの低水準となるマイナス0.280%を付け、価格は午後になると上昇が続いて、155.31で15時となりました。

左:日本国債先物-5分足 右:日本国債先物-日足
 

 

上海総合指数
先週金曜日終値2,897.42よりも46.41ポイント安い2,851.01で寄り付き、終日マイナス1.0-1.6%で推移して、2,863.57(-33.86)▼1.17%で引けました。

左:上海総合指数-1分足 右:上海総合指数-日足
 

 

昨日のNY株式市場
NY DOW    25,628.90(-623.34)
NASDAQ    7,751.77(-239.62)
・先週金曜日のNY株はジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演を控えて欧州時間から様子見ムードが続いていましたが、21:00に突然中国政府が米国の対中制裁関税への報復として、米国からの輸入品約750億ドル相当に9/1から最大10%の追加関税を課す、また1月から適用を見合わせていた自動車・同部品への対米報復関税も12/15に再び導入して最大25%の税率を上乗せすると発表したため時間外のダウ先物が26,300から26,050まで急落しました。
そこからジリジリと戻し、パウエルFRB議長講演で「景気拡大持続へ適切に行動する」と追加利下げに踏み切る考えを示唆しましたが、利下げの時期については明言を避け、市場が9月の金融政策会合での利下げをほぼ織り込み済みのため、発言の反応は限定的でした。
しかしその後トランプ大統領がツイッターに「きょうの午後、中国の関税に対応する」「中国を必要としていない。いない方がはるかにましだ」と投稿したことで米中貿易摩擦の激化懸念が急速に高まってリスク回避の円買いの流れとなり、11:45に26,200から25,800まで急落し、更に下げが続いて引け前には745ドル安の25,507まで下落し、ダウは$623安、ナスは3.00%もの大幅安で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足