FOMC声明全文(2017年11月2日)

2017年11月2日

本日早朝(11/2)に発表されたFOMC声明の全文です。(時事通信より転載)

 米連邦公開市場委員会(FOMC)が9月会合以降に入手した情報は、ハリケーン関連の影響にもかかわらず、労働市場が引き続き強化され、経済活動は力強く拡大していることを示している。ハリケーンにより9月の雇用者数は減少したが、失業率はさらに低下した。家計支出は緩やかな割合で拡大し、企業の設備投資は直近の数四半期に上向いた。ハリケーンによってガソリン価格は上昇し、9月に全体的なインフレを押し上げたが、食品とエネルギー価格を除くコアインフレは依然弱い。前年同月比のインフレとコアインフレはともに今年に入り低下し、目標の2%を下回っている。市場ベースのインフレ期待の指標は依然低い。調査ベースの長期インフレ期待の指標の大半はほとんど変わっていない。
 法律で定められた責務に則し、FOMCは雇用の最大化と物価安定の促進を目指している。ハリケーンによる被害と復興は引き続き、短期的に経済活動と雇用、インフレに影響を及ぼすが、過去の経験は、ハリケーンが中期的に米国経済の(拡大)基調を大きく変える可能性は低いことを示唆している。この結果、FOMCは、金融政策の緩やかな調整により、経済活動は緩やかなペースで拡大し、労働市場の環境はさらに幾分強固になると予想する。前年同月比のインフレは短期的に2%を幾分下回り続けるものの、中期的に2%近傍で安定すると予想している。景気見通しへの短期的なリスクはおおむね均衡しているようだが、FOMCは引き続き、インフレ動向を緊密に監視している。
 労働市場環境とインフレの現状、見通しを踏まえ、FOMCはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標水準を1~1.25%に据え置くことを決定した。金融政策の姿勢は引き続き緩和的であり、労働市場環境をさらに幾分強化し、インフレが2%に安定的に回帰することを支える。
 FF金利誘導目標水準の今後の調整時期と規模を判断するに当たって、FOMCは、雇用最大化と2%物価目標に関する経済情勢を、実績と見通しから評価していく。この評価は、労働市場環境に関する指標、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融、国際的な情勢の解釈を含む幅広い情報を考慮する。FOMCは、「シンメトリック・インフレーション・ゴール(上下の許容幅が対称的なインフレ目標)」と比較して、現状のインフレ進展と見通しを注意深く監視する。経済情勢は、緩やかな利上げを正当化する形で進展すると予測する。FF金利誘導目標水準は一定の間、長期的に予測されている水準を下回るだろう。しかし、実際のFF金利誘導目標水準の先行きはデータが示す経済見通しに依拠する。
 FOMCは10月に開始したバランスシートの正常化計画を進めている。
 FOMCの金融政策にはイエレンFOMC委員長(FRB議長)、ニューヨーク連銀のダドリー総裁、ブレイナードFRB理事、シカゴ連銀のエバンズ総裁、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁、ダラス連銀のカプラン総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁、パウエルFRB理事、クオールズFRB副議長が賛成した。