米雇用統計発表後のNY市場の動き(2017年2月4日)

2017年2月4日

・昨日発表された1月雇用統計は非農業部門雇用者数が+22.7万人で予想+18.0万人を上回りましたが、失業率は予想4.7%から4.8%へ悪化、平均時給も予想+0.3%から+0.1%へ悪化という結果でした。

・NY株は雇用統計発表後に失業率や平均時給は悪化したものの非農業部門雇用者数が予想の+18.0万人から+22.7万人と好結果だったことを好感して2万ドルを突破してからは徐々に上昇幅を広げる堅調な展開となり、更にトランプ大統領が「金融規制改革法(ドッド・フランク法)を大胆に緩和したい」と述べたとの報道で買われてダウは$186高、ナスは0.54%高で引けました。

・日経ナイトは雇用統計発表直後に19,020から19,060まで上昇しましたが、すぐに反転して18,980まで下落し、ダウが$20,000を突破して欧米株が上げ幅を拡大する中、ドル円の下落に引っ張られて上値の重い展開が続き、2時過ぎからやっとジリ上げとなって5時前に19,100まで上昇し、19,090(+150)で引けました。

・ドル円は雇用統計発表直後は非農業部門雇用者数の増加に反応して113.42まで上昇しましたが、失業率と平均時給の悪化で米長期金利が低下したためすぐに反転して112.56まで急落し、更なるドル売りで00:40に112.31まで下落しました。
その後ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の「3月利上げの根拠が幾分ある」との発言での長期金利上昇やNY株が2万ドルに乗せて堅調に推移していたため3時過ぎから上げ出して04:40には113.07まで上昇しましたが、再び押し返されて6時過ぎには112.54まで下落し、112.60でNYクローズとなりました。

・米国10年債券利回りは非農業部門雇用者数の好結果よりも失業率と平均時給の悪化に反応して2.461%から23:05の2.433%まで低下しましたが、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁が3月利上げの可能性についての発言で逆に上昇基調となって2.498%まで上昇して雇用統計後の低下分を帳消しにして2.467%でNYクローズとなりました。

 

 

結果
22:30 1月非農業部門雇用者数 予想:+18.0万人 結果:+22.7万人 (前回:+15.6万人 修正値:+15.7万人)
22:30 1月失業率 予想:4.8% 結果:4.7% (前回:4.7%)
22:30 1月平均時給 (前月比) 予想:+0.1% 結果:+0.3% (前回:+0.4% 修正値:+0.2%)

 

★雇用統計の明細は、米雇用統計詳細(2017年2月4日)の記事に載せています。
(下線部分をクリックすると、該当記事が別ウィンドウで開きます。)

 

 

昨夜のNY株式市場
NY DOW  20,071.46(+186.55)
NASDAQ   5,666.77(+30.57)
・ダウは1月雇用統計発表直後に急伸して2万ドル手前で揉み合っていましたが、23時に2万ドルを突破すると上げ幅を拡大してからは高値圏での小動きが続いて$186高で引け、ナスも同様に堅調な動きとなって0.54%高で引けました。

左:DOW-1分足 右:NASDAQ-1分足
 

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

日経先物(夜間)
 ナイトは18,950で寄り付き、すぐに小幅上げて19,000を挟んだ小動きが続き、22:30の雇用統計の時は19,020でした。
発表直後に19,060まで上昇しましたが、すぐに反転して18,980まで下落し、ダウが$20,000を突破して上げ幅を拡大する中、ナイトは上値が重く18,960-19,020で上下していました。
02:10からジリ上げとなって04:50には19,100まで上昇し、19,090(+150)△0.79%で引けました。
またCME(円建て)清算値は19,050でした。

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

ドル円(チャートは7:00時点)
・ドル円は欧州時間序盤は113.10近辺での小動きが続き、22:30の雇用統計の時は113.15でした。
発表直後は非農業部門雇用者数の増加に反応して113.42まで上昇しましたが、失業率と平均時給の悪化で米長期金利が低下したためすぐに反転して112.56まで急落しました。
その後もドル売りが続いて00:40に112.31まで下落して112.40-60で揉み合っていましたが、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の「3月利上げの根拠が幾分ある」との発言から長期金利が上昇に転じたことやNY株が2万ドルを突破して堅調に推移していたため、ドル円は03:15から上げ出して04:40には113.07まで上昇しました。
しかしその後は押し戻されて06:15には112.54まで下落し、112.60でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
 欧州時間序盤は2.480%を挟んだ小動きが続き、雇用統計直前に低下して22:30は2.467%でした。
発表で非農業部門雇用者数の好結果よりも失業率と平均時給の悪化に反応して2.461%から23:05の2.433%まで低下してからは2.428-2.452%で上下していました。
しかしウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁が3月利上げの可能性についての発言が伝わると一転して上昇基調となって04:40には2.498%まで上昇して雇用統計後の低下分を帳消しにし、その後は押し戻されて2.467%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足