イエレン議長下院議会証言要旨(2016年2月11日)

2014年2月11日

昨日(2/11)00:00にイエレンFRB議長の下院金融委員会で議会証言が行われました。
以下は要旨で、ロイターからの転載です。

<近く利下げを行う必要想定せず>
連邦公開市場委員会(FOMC)が近く利下げを行う必要に直面するとは想定していない。
労働市場が堅調に推移し、改善し続けていることを念頭に置いておいてもらいたい。インフレを抑制している多くの要因は一時的なものだと、引き続き考えている。
リセッション(景気後退)のリスクは常に存在し、先ほども述べたように、世界的な金融情勢が景気減速につながる可能性があるとも認識している。ただ、この先に米経済を待ち受けているものについて、早まった結論に飛びつくことがないよう、注意したいと思う。
利下げを行う必要が出てくるとは思っていない。ただこれまでも言ってきた通り、金融政策はあらかじめ決められた軌道に乗っているわけではない。(利下げが)必要になった場合、FOMCは当然、議会に委託された責務を果たすために必要な決定を行う。

<GDP伸び率>
GDPの伸びは第4・四半期に顕著に減速した。現四半期には上向くと予想しているが、金融情勢の大幅な引き締まりが見られることから、見通しに影響が及ぶ可能性はある。

<賃金の伸び>
現時点では暫定的なものだが、賃金の伸びの兆候は増大している。 労働市場の進展が続けば、賃金をめぐる進展も加速すると大きく期待している。

<原油価格の下落>
エネルギー部門が非常に大きな打撃を受けていることは考慮に入れている。
同部門では雇用が失われており非常に大きな痛手となっているものの、全体の雇用(市場)から見るとかなり小さい部門ではある。ただ、探査活動は大幅に縮小され、製造業全体に全般的な影響が及んでおり、マイナスの影響は出ている。
一方、2014年と現在の原油価格の差を見ると、米国の平均的な家計は年間1000ドルを節減できていることになり、消費支出の押し上げにつながっている。

<バランスシートの縮小>
FRBは短期金利が幾分上昇するまで、バランスシートの縮小を待つ意向だ。

<マイナス金利は政策手段>
「用意周到な計画作り(prudent planning)」の一環として、欧州で講じられた措置を踏まえ、FRBはマイナス金利の導入について検討する。これは導入が必要とされる根拠があるからではなく、どのような手段が利用可能かを見極めるためだ。
マイナス金利導入にあたっては、法的な問題だけではなく、米国の支払いシステムや米短期金融市場の組織構造が対応可能かどうかといった問題についても検証が必要だ。
現行の政策下での米債務の軌道に注目すれば、債務は現在の水準から対GDP比で100%を大幅に上回る水準に拡大し、多かれ少なかれ永遠に増加の一途をたどることになる。持続不可能な状況にあるとの判断を下す必要がある。

<債務状況>
米債務の対国内総生産(GDP)比率は、現在の水準で今後何年にもわたり持続可能のようにみえるが、米議会予算局(CBO)の見通しからも明らかであるように、高齢化に伴い、将来的には持続不可能な増加につながる恐れがある。この問題をめぐっては、議会は何十年も認識してきており、対処することが重要だ。
現行の政策下での米債務の軌道に注目すれば、債務は現在の水準から対GDP比で100%を大幅に上回る水準に拡大し、多かれ少なかれ永遠に増加の一途をたどることになる。持続不可能な状況にあるとの判断を下す必要がある。

<世界市場の混乱>
世界金融市場の動向を非常に注意深く見守っている。年初来みられるストレス要因は、中国の為替相場政策や、原油価格をめぐる不透明感に関連しているようだ。市場でみられた急激な動きをもたらすほど顕著と考えられるシフトは確認していない。景気後退リスクへの懸念が高まった結果、リスクプレミアムが上昇したようだ。世界的にも米国でも成長急減速はまだみられない。ただ、世界市場動向を注視する必要性を十分認識している。

<利上げ軌道>
金融動向が(これまでと比べて)成長を下支えしなくなっており、見通しに影響を及ぼす可能性もあり、現在精査している。金融政策はあらかじめ決められたコースをたどるわけでないことを明確にしたい。従って、こうした動向が景気見通しに与える公算が大きい影響や、雇用とインフレ両方の目標を達成するわれわれの能力を評価する。これらが、今後の金融政策スタンスを左右する要因だ。

<FRB資産の売却>
長期資産を売却すれば、経済に大きな支障をきたす可能性がある。景気回復を阻害する方策で、もちろん国民に示したものでもない。われわれはバランスシートを段階的かつ予測可能な方法で縮小していく方針を示している。

<マイナス金利を導入するFRBの法的権限について>
政策を予想より速いスピードで引き締める必要がある場合でも、逆に緩和する必要がある場合でも、われわれは用意周到な計画作り(prudent planning)の精神に基づき、どのような選択肢が利用できるか常に検討する。
このようにわれわれは(マイナス金利について)検討する。ただ、法的な面について徹底的に検討されたと言う用意は、現時点ではまだない。
(マイナス金利導入を)阻むものがあるとは認識していないが、われわれはまだ法的な面について十分に検証していない。今後、そうしたことが必要になる。

 

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