米雇用統計発表後のNY市場の動き(2023年3月11日)

2023年3月11日

 2月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想の20.5万人増を上回る31.1万人増、失業率は予想の3.4%から悪化した3.6%、平均時給は前月比、前年同月比共に予想を下回る結果となりました。
雇用統計の結果を受けて今月のFOMCで0.50%の利上げ観測が後退したことからドル売り、債券買いとなり、NY株はSVBファイナンシャル・グループの傘下銀行が10日に経営破綻したことで金融システム不安の高まりから売りが膨らみました。

・NY株は2月雇用統計の結果を受けて今月のFOMCで0.50%の利上げ観測が後退したことでプラスに転じる場面がありましたが、SVBファイナンシャル・グループの傘下銀行が10日に経営破綻したことで金融システム不安の高まりから金融株を中心に売りが膨らみ、ダウは$345安、ナスも1.76%の大幅下落で引けました。

・日経ナイトは27,880で寄り付き、27,750-970で上下し、22:30の雇用統計の時は27,910でした。発表直後に27,840-28,000で振った後、NY株がSVBファイナンシャル・グループの傘下銀行の経営破綻による金融システム不安の高まりから下げ幅を広げたため日経先物も売られて03:50には27,500まで下落し、27,530(-330)▼1.18%で引けました。

・ドル円は米・雇用統計発表直後に136.63から135.84まで下落し、そこから今月のFOMCで0.50%の利上げ観測が後退して米金利低下と共に強いドル売りとなり00:40の134.10まで早いペースで下落し続け、その後は01:30に135.18まで戻しましたが、戻りは鈍く、134.80近辺での揉み合いが続いて、135.07でNYクローズとなりました。

・米国10年債権利回りは2月米雇用統計で平均時給が市場予想ほど伸びなかったことで賃金インフレへの警戒感が和らぎFRBの大幅利上げ観測が後退したため債券が買われて利回りは低下し、またSVBファイナンシャル・グループの傘下銀行の経営破綻による金融システム不安の高まりから安全資産とされる米国債買いも加わり、3.704%でNYクローズとなりました。

結果
22:30 2月非農業部門雇用者数 予想:+20.5万人 結果:+31.1万人 (前回:+51.7万人 修正値:+50.4万人)
22:30 2月失業率 予想:3.4% 結果:3.6% (前回:3.4%)
22:30 2月平均時給 (前月比) 予想:+0.3% 結果:+0.2% (前回:+0.3%)
22:30 2月平均時給 (前年同月比) 予想:+4.7% 結果:+4.6% (前回:+4.4%)

 

 

 

先週金曜日のNY株式市場
NY DOW   31,909.64(-345.22)
NASDAQ   11,138.89(-199.47)
・昨日のNY株は2月雇用統計の結果を受けて今月のFOMCで0.50%の利上げ観測が後退したことでプラスに転じる場面がありましたが、SVBファイナンシャル・グループの傘下銀行が10日に経営破綻したことで金融システム不安の高まりから金融株を中心に売りが膨らみ、ダウは$345安、ナスも1.76%の大幅下落で引けました。

左:DOW-1分足 右:NASDAQ-1分足
 

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

 

日経先物(夜間)
・日経ナイトは27,880で寄り付き、27,750-970で上下し、22:30の雇用統計の時は27,910でした。発表直後に27,840-28,000で振った後、NY株がSVBファイナンシャル・グループの傘下銀行の経営破綻による金融システム不安の高まりから下げ幅を広げたため日経先物も売られて03:50には27,500まで下落し、27,530(-330)▼1.18%で引けました。
CME日経225先物は27,525でした。

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

 

ドル円(チャートは7:00時点)
・欧州時間序盤は17:10に136.09まで下落した後は上げ出して19:50に136.98まで上昇し、22:30の雇用統計の時は136.63でした。
発表直後に136.63から135.84まで下落し、そこから今月のFOMCで0.50%の利上げ観測が後退して米金利低下と共に強いドル売りとなり00:40の134.10まで早いペースで下落し続けました。
その後は01:30に135.18まで戻しましたが、戻りは鈍く、134.80近辺での揉み合いが続いて、135.07でNYクローズとなりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

左:ドル円-日足

 

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
・2月米雇用統計で平均時給が市場予想ほど伸びなかったことで賃金インフレへの警戒感が和らぎFRBの大幅利上げ観測が後退したため債券が買われて利回りは低下し、またSVBファイナンシャル・グループの傘下銀行の経営破綻による金融システム不安の高まりから安全資産とされる米国債買いも加わり、3.704%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足