東京市場ザラバ~FOMCでのテーパリングを織り込んで606円の大幅高~(2021年12月16日)

 

2021年12月15日

・昨日のダウは で引けました。

・本日の日経は前日終値28,459.72よりも408.65円高い28,868.37で寄り付き、29,044まで上昇し、28,900‐29,030で揉み合いがしばらく続きました。 10時半過ぎに28,782まで下落しましたが、すぐに切り返して28,904で前引けとなりました。
後場になるとジリジリとした上昇が続いて、ほぼ本日高値の29,066.32(+606.60)△2.13%で引けました。

 

 FOMC声明では量的緩和政策の終了時期の想定を2022年6月から同3月へ前倒しする方針を決定し、参加した委員の政策金利予想では2022年の利上げ予想回数を従来の1回から3回に引き上げ、2023年は3回で前回と同じ、2024年は2回と前回の3回から引き下げられました。
来年1月から新規の資産購入額を月300億ドルずつ減らす方針を決め、減額幅は11月に決めた月150億ドルから2倍に拡大しました。
また声明でこれまでの「インフレは一時的(transitory)」との表現を声明文から削除し、「需給不均衡がインフレの押し上げに寄与し続けた」とインフレの持続性を強調する表現に改め、会合後の記者会見ではパウエルFRB議長は利上げ時期について明言を避けました。

★FOMC声明の全文を、FOMC声明全文(2021年12月16日)の記事に載せています。

 

 

日経先物
・28,840で寄り付き、直後から上げ出して9:00に28,990まで上昇し、そこからは28,890-990での揉み合いがしばらく続きましたが、10:45から下げ出して10:50には28,720まで押し戻されました。
しかしそこからは一転して上昇基調となり15:00の29,030までジリ上げが続いて、29,000(+530)△1.86%で引けました。
現物は29,066.32(+606.60)△2.13%でした。

東証一部売買代金:26,517億円、東証一部売買高:10.53億株
東証一部騰落数 値上がり1,676銘柄、値下がり421銘柄、変わらず87銘柄

左:日経先物-5分足 右:日経先物-日足
 

 

マザーズ
・前日終値999.80よりも15.18ポイント高い1,014.98で寄り付き、9:10に1,023まで上昇しましたが、そこからは逆にジリ下げとなって10:50には1,003まで押し戻されました。
その後は戻りを入れながら下落して行き13:35にはマイテンして998まで下落し、14:00からは小幅高水準での小動きが続いて、1,000.87(+1.07)△0.11%で引けました。

左:マザーズ-5分足 右:マザーズ-日足
 

 

ドル円(チャートは15:30時点)
・欧州時間序盤はジリジリと上げて16:00の113.66から22:20には113.89まで上昇し、NYタイムに入るとFOMCを目前に控えていたため113.75-95で上下し、04:00のFOMC声明の時は113.89でした。
発表直後からドル買いが優勢となって113.89から114.23まで急伸し、パウエルFRB議長会見が始まる04:30には114.26まで上昇しました。
その後は米国株が一転大幅上昇したことでリスクオンのドル売りが出て05:30には113.95まで下落し、114.05でNYクローズとなりました。
・東京時間に入ると上昇基調となり9:50に114.17まで上昇し、その後は114.00-20での上下が続いて114.15で15時となりました。

左:ドル円-5分足 右:ドル円-1時間足
 

 

日本国債(チャートは15:00時点)
・大きな動きはありませんでした。

左:日本国債先物-5分足 右:日本国債先物-日足
 

 

上海総合指数
・前日終値3,647.63よりも1.29ポイント高い3,648.92で寄り付き、前場半ばにマイテンしましたが、その後はじりじりとした上昇が続く堅調なてんかいとなり、3,675.02(27.39)△0.75%で引けました。

左:上海総合指数-1分足 右:上海総合指数-日足
 

 

 

昨日のNY株式市場
NY DOW  35,927.43(+383.25)
NASDAQ  15,565.58(+327.94)
・昨日のダウは寄り付き後は11月小売売上高が予想以上に鈍化したことを嫌気してマイナス圏で推移し、その後米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長の「オミクロン株に特化したワクチンは今のところ必要ない」を受けて下げ止まり、FOMCでゼロ金利据え置きや量的緩和縮小規模を2倍とする想定通りの結果を好感して急速に上昇して$383高で引けました。
またナスもFOMC後に長期金利の上昇が抑えられていたためハイテク株も買われて2.15%の大幅高で引けました。

左:DOW-日足 右:NASDAQ-日足
 

 

米国10年債権利回り(チャートは7:00時点)
・FOMC声明でテーパリング(量的緩和の縮小)の加速が決定され、政策金利予想(ドット・チャート)で来年3回の利上げが示唆されると債券が売られましたが、「ほぼ想定の範囲内だった」との見方から上昇幅は小さく、1.462%でNYクローズとなりました。

左:米国10年債権利回り-15分足 右:米国10年債権利回り-日足